| 元素周期表 | (単漢字表現) | | | | | | | | | | | |
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| 説明 | | | |
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| ※ 日本語の元素名は、[金][銀][鉄][鉛][錫] など漢字1文字の表現と [水素][酸素][硼素][白金][弗素] など漢字2文字での表現の、いわゆる「慣用名」があり、漢字で表現しづらいものについてはすべてカタカナで表記される。 | | |
| 現在の慣用名は、常用漢字表などに載らない漢字を含むものについては [スズ][ホウ素][フッ素] などと、全体や一部がカタカナで表現されることが一般的である。 | | |
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| 日本語の元素名で大部分を占めるカタカナ表記では [チタン][ウラン][ニオブ] を [チタニウム][ウラニウム][ニオビウム] とも表記することがあり | | |
| また一般に [白金] は英語で [プラチナ] と呼んだり、[クロム] は [クローム] と呼ぶことがあるほか、[アルミニウム] は [アルミ] と略されることも多い。 | | |
| ちなみに過去のカタカナ表記では [ナトリューム][カルシューム][リチューム][アルミニューム][マグネシューム] などのように拗音と長音符を使っていた時期や | | |
| [イッテルビウム] を [イチルビウム] と表記していたことなどがあるが、現在ではローマ字読みに近い表記が主流である。 | | |
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| 日本語でカタカナ表記をするものなどについては、過去には漢字1文字での「当て字」の表現もおこなわれていた、とされることがある。 | | |
| これは中国語での漢字表現(現在でいう繁体字)を参考にしたものと思われるが、現在の日本語では基本的に「当て字」はおこなわれないため、詳細は不明である。 | | |
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| 大漢和辞典など一部の辞書には「化学元素の名」として載っているものがあるが、これらの大部分は「中華大字典」「漢語大字典」「辞海」など中国の辞書を参照しているものであって | | |
| 当時の日本の「官報」などを見る限りではカタカナ表記が主であり、実際に日本国内で「当て字の元素名」が広く使われていたかどうかは疑わしいようにも思える。 | | |
| 少なくとも元素の発見時期が比較的あたらしいものでは漢字表現の追加がおこなわれていない上、現在の中国語との表現上の差異が生じているものもあると考えられるため、 | | |
| ここでの漢字表現は基本的に「日本語での当て字」ではなく「中国語での漢字表現」として捉えることとしている。 | | |
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| ※ 中国語での元素名は通常、漢字1文字で表記される。基本的には元素名の発音の一部分(第一音節または第二音節)、もしくは元素の持つ特性や由来などから、近い漢字を採って元素をあらわす。 | | |
| 近現代に発見された比較的あたらしい元素についても漢字表現の追加がおこなわれ、Unicodeへの追加登録もおこなわれている。過去の例を見ると、必要な場合には、それまでに無かった漢字が新たに作られることもある模様である。 | | |
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| 中国語の漢字は、共産党政権下の中国本土では、ほとんどすべての場合で簡略字形の「簡体字」を用いる必要がある。 | | |
| 一方、台湾・香港・マカオといった非共産圏だった地域では、簡化の影響を受けなかったため伝統的な漢字である「繁体字」が用いられる。 | | |
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| 簡体字は、以前は中国全土のレベルではまだ低かった識字率を全体的に向上させるために、伝統字(繁体字)をもとに作られたとされている。 | | |
| 簡略字形として先行した日本の「新字体」と同じ字形を採用するものもあるが、日本の新字体よりも簡略化の度合いが強いものも多い。 | | |
| 中国に返還された香港とマカオでは現在も繁体字を用いているが、政府系の公式文書など限られた場面では簡体字を用いる必要がある。 | | |
| シンガポールやマレーシアでは、中国に倣って簡体字を公式採用しているが、過去には繁体字を使っており、繁体字がまったく通じない、ということはない模様である。 | | |
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| 元素の漢字表現は、過去においては用字が変化してきているものがあるため、今後も状況に応じて変化していく可能性がある。 | | |
| 通常の用法では、最新の表現を用いることが重要であり、過去の表現についても言及する場合には、さらに細心の注意を払う必要がある。 | | |
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| 近年になって発見が認定された元素もあり、本稿執筆時点で最新のものは 2016年に正式決定、漢字は2017年に決まった4つの元素である。 | | |
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| | 1997年 | #104:[Rf][𬬻/鑪] ラザホージウム | 2003年 | #110:[Ds][𫟼/鐽] ダームスタチウム | 2016年 | #113:[Nh][鿭/鉨] ニホニウム | | |
| | #105:[Db][𬭊/𨧀] ドブニウム | 2004年 | #111:[Rg][𬬭/錀] レントゲニウム | | #115:[Mc][镆/鏌] モスコビウム | | |
| | #106:[Sg][𬭳/𨭎] シーボーギウム | 2010年 | #112:[Cn][鿔/鎶] コペルニシウム | | #117:[Ts][鿬/鿬] テネシン | | |
| | #107:[Bh][𬭛/𨨏] ボーリウム | | | #118:[Og][鿫/鿫] オガネソン | | |
| | #108:[Hs][𬭶/𨭆] ハッシウム | 2012年 | #114:[Fl][𫓧/鈇] フレロビウム | | | | |
| | #109:[Mt][鿏/䥑] マイトネリウム | | #116:[Lv][𫟷/鉝] リバモリウム | | | | |
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| 簡体字で Unicodeに近年追加されたものは #104~#116:[𬬻][𬭊][𬭳][𬭛][𬭶][鿏][𫟼][𬬭][鿔][鿭][𫓧][镆][𫟷] などである。 | | |
| これらは、Unicodeに追加される前には部首で分けて[钅卢][钅杜][钅喜]のように書かれるか、[鑪][𨧀][𨭎]などの繁体字を使って代用されてきた。 | | |
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| このうち #115:[镆] については、元素としての使い方だけではない(簡体字圏の)一般の漢字が当てられるようになったものなので、[CJK統合漢字] に当初から登録されていた(Unicode1.0.1;1992)。 | | |
| #114:[𫓧] は [CJK統合漢字拡張C](Unicode5.2;2009年)、#110:[𫟼] #116:[𫟷] は [CJK統合漢字拡張D](Unicode6.0;2010年)、残りのうち [𬬻][𬭊][𬭳][𬭛][𬭶][𬬭] については [CJK統合漢字拡張E](Unicode8.0;2015年) として追加されている。 | | |
| また [CJK統合漢字] の末尾部分の領域にあとから追加されたものに、#109:[鿏], #112:[鿔](Unicode8.0;2015年)、および、最終追加の #113:[鿭] や #117:[鿬],#118:[鿫](Unicode11.0;2018年) がある。 | | |
| (ちなみに #118:[鿫]は、本来的には、簡体字と繁体字とで内側上部の[ノ]の有無が異なる(簡[奥]/繁[奧]。つまり 簡[米]/繁[釆])。厳正に表現するには、表示フォントや異体字セレクタで対応することになるものと思われる。) | | |
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| 繁体字では、台湾で使われるとされる [⿰釒拉](#104), [⿰釒都](#105) など一部の文字が、元素としては Unicodeに未登録である。(本稿執筆時点、2018年現在、Unicode 11.0.0) | | |
| 逆の言い方をすれば、Unicodeに未登録の [釒拉], [釒都] の文字は、パソコンなどの Unicode環境下では、一般的にはこのように2文字ずつで表現することになり、1文字ずつの文字としては、使うことができない。 | | |
| なお Wikipedia中国語版(下記リンク先参照。繁体字は[台灣正體]や[粵語]など)を見ると、[釒拉], [釒都] の表現は一切使わずに、香港・マカオで使われるとされる [鑪], [𨧀] の文字が使われて、1文字の表現が貫かれている。 | | |
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| ([釒拉], [釒都] の文字は、台湾の文部省にあたる「教育部」で制定されたものと思われる。台湾の政府系文字コード[CNS 11643]の最新版など特定の環境下では登録されて出版物などに利用している可能性もあるが、詳細は不明である。) | | |
| (Unicode環境下で1文字として表現するには、画像を作成しておき嵌め込んで利用するか、個人利用が基本の[外字]として登録して表現するかに限られるが、後者の場合は汎用性が極めて低いため、インターネット等では利用できない。) | | |
| ([釒拉], [釒都] の文字は、手書きや出版物などを除けば、台湾の大部分のパソコン環境などでは現実には使われておらず、香港などの [鑪], [𨧀] で代用しているものと考えられる。) | | |
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| このようなことから、本表では「使える文字を提供する」という観点からも、[釒拉], [釒都] の文字は「現在使われていない」と捉えて「旧字など」に分類し、台湾を含む繁体字圏全体で [鑪], [𨧀] を用いるものと見なしている。 | | |
| 本表では、これらの漢字が Unicodeに登録されてフォントなどでも利用可能になれば、順次訂正して掲載していく予定である。 | | |
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| なお、仮称のある#119以降の未発見元素については記載していないが、本稿では正式名称および漢字の決定を待って追加・更新していく予定である。 | | |
| 現状では、これらはラテン語名や元素記号または原子番号で「元素113」などのように呼ばれており、この呼び方は[未発見元素]として理論上定義されている元素(#119~#218・本表では割愛)でも同様に使われる。 | | |
| この部分の漢字表現は、正式名称が未定のままではおこなわれないと思われるが、正式名称の決定後には漢字の決定も順次おこなわれるものと見られる。 | | |
| 本表ではこれらについても、漢字表現が決定されれば、順次訂正して利用可能な文字として掲載していく予定である。 | | |
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| ※ 繁体字圏の欄で2文字が[,]で示されているもの(#43,71,85,87,93,94,95,97,98,99,104,105,106)については、繁体字圏のうち、香港・マカオ(左側)と台湾(右側)とで、使う漢字が異なることを示している。 | | |
| なお、香港やマカオで使われる漢字は、これらの中では中国の簡体字と同種の旁(つくり)を用いる傾向も見られるが、異なる場合もあり、一律に同じではないので注意を要する。(下記注釈を参照) | | |
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| ※ 簡体字については、基本的には繁体字をもとに簡略化した字形となっているので、旁(つくり)の部分には代表的な繁体字との共通性があるものが多くなっており | | |
| 元素としての漢字は、表現上の重複が無いよう、制度的に1文字に絞って規定されている。 | | |
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| 建前上、中国国内では簡体字を使うことになっているが、実際の中国は自治区なども擁する多民族国家であり、近年返還された香港やマカオに限らず | | |
| 長江(揚子江)以南の広東語(粵語:エツ語)などが使われる地域では、伝統的な書体(繁体字)も用いられることがある。 | | |
| このような地域のために、中国では逆に、簡体字をもとにした繁体字の追加もおこなっている模様である。 | | |
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| ※ 備考欄では、丸括弧( )つきで示した文字は繁体字のみとなっているが、現在の中国語では基本的に使われなくなっているものであり、積極的な利用は推奨されない。 | | |
| 隅付き括弧【 】が付いているものは、日本語の1文字や2文字で書かれる慣用名の漢字表現である。 | | |
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| ※ #14:[Si]:ケイ素(珪素,硅素、矽,硅) に関しては、繁体字圏では[矽]、簡体字圏では[硅]が用いられる。 | |
| [硅]は特に簡体字ではなく標準字だが、普通話での[矽]と別の元素の字(硒,錫)との同音衝突を避けたものであり、中国国内で簡体字の元になった繁体字を示す場合(簡化字総表など)にも[矽]ではなく[硅]が示される。 | |
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| ※ #41:[Nb]:ニオブ(鈮,铌) に関しては、1949年に世界的な名称の変更を経ており、旧称である コロンビウム(Columbium:コロムビウム:[Cb]:#41)との漢字表現の区別など、注意すべき場面がある。 | | |
| 旧称のコロンビウムの時期には、[鈳](钶)もしくは[鎶](鿔)の漢字が使われていた。[鈳](钶)のほうは元素としてはコロンビウムを指す場合にのみ用いられる。 | | |
| なお[鎶](鿔)のほうは、現在の中国語においては コペルニシウム(#112:[Cn]:1996年発見,正式名称決定は2010年)を指しているので、過去の元素の漢字表現も扱う際には、但し書きが必要となる場合がある。 | | |
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| ※ #85:[At]:アスタチン の表現について、[鈪]は台湾において使われる表現である。 | | |
| [砹]は簡体字の中国のみならず中国南部で話され主に繁体字を用いる「粵語」(エツ語。広東語。香港を含む)や、やや内陸部で簡体字に繁体字も混在する「贛語」(カン語)などで広く使われる。 | | |
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| ※ #87:[Fr]:フランシウム の表現について、[鈁]は中国国内での繁体字圏ともいえる粵語や贛語で使われ、簡体字[钫]と共通の旁[方]を用いている。 | | |
| 非共産圏であった台湾や香港では、元素名の由来となったフランスを指す[法]の字を取り入れた繁体字[鍅]を用いる。 | | |
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| ※ #71:[Lu]:ルテチウム(鑥(镥)/鎦) に関しては、繁体字圏のうち台湾では[鎦]、香港・マカオでは[鑥]、そして簡体字圏では[镥]が用いられる。 | | |
| 大陸側で使われる[鑥](镥)は、普通話での[鎦](镏)と別の元素の字(硫)との同音衝突を避けたものであり、中国国内で簡体字(镥)の元になった繁体字を示す場合には[鎦]ではなく[鑥]が示される。なお[鏴]は繁体字圏で使われた旧字である。 | | |
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| 【参考】 | | |
| ウィキペディア | 元素の中国語名称 | | |
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| グリフウィキ | グループ:元素記号 | | |
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| 論文 | 中国の化学元素名に用いられる漢字について | | |
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| 大漢和辞典 | 修訂版(修訂第1版:A4版) | | |
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| 暁に死す | 漢字で元素 | | |
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| 【参考】 日本語版、英語版、および各種中国語版のウィキペディア | | |
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